Perplexityの音声アシスタントが示すAI競争の現実

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Perplexity、iOS向け音声アシスタントを提供開

2025年4月24日、AI検索エンジン「Perplexity」は、iOSアプリに音声アシスタント機能を追加した。

これにより、iPhoneやiPadのユーザーは、音声で質問を投げかけたり、メールの下書きを作成したり、音楽や番組の再生、アラートの設定など、日常的な操作をハンズフリーで行うことが可能となった。

PerplexityのCEOであるAravind Srinivas氏は、自身のX(旧Twitter)アカウントで、この新機能の具体的な利用シーンを紹介し、自然言語でのやり取りがもたらす直感的な操作性に自信を示している。

なお、アプリ上に音声アシスタントが表示されない場合は、App Storeからのアップデートによって対応可能である。

また、音声入力や質問履歴などのユーザーデータは、AIの学習目的で収集されるが、設定からオプトアウトが可能であり、プライバシーへの配慮も明記されている。

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Apple Intelligenceの開発遅延と市場への影響

一方、Appleが2024年に発表した独自AI「Apple Intelligence」は、当初より「より賢いSiri」として大きな期待を集めていたが、現在も具体的な機能強化や提供開始時期は不透明なままで、ユーザーの不満が高まっている。

実際、Appleは「Apple Intelligence」のウェブページや、「iPhone 16」のマーケティング資料にある「Available Now(今すぐ利用可能)」という表現を削除するなど、広告表現の見直しを余儀なくされている。

さらに、Appleは「Apple Intelligence」の一部機能の提供が当初の予定よりも遅れると発表し、それに伴い、過去に公開した関連広告を非公開とした。

モバイルAIアシスタント市場の競争激化

AppleのAI開発が足踏みする中、生成AI領域ではOpenAIの「ChatGPT」やGoogleの「Gemini」が着実に機能を拡充し、音声対話のインターフェースも高度化している。

特に2025年に入ってからは、スマートフォン上での操作性に重点を置いたアプリが相次いで登場し、音声アシスタントの“再定義”とも言える進化が加速している。

その中でPerplexityのiPhoneアプリが示したのは、単なるAIチャットではなく、スマホOSと連携し日常タスクを肩代わりする「実用的なAI」への移行である。このアプローチは、Apple自身が志向している方向性と重なるものの、現状ではSiriがそれに追いつけていない点が対照的である。

今後の展望と課題

iOS上でApple製AIが未完成である今、外部アプリによる音声操作の需要は高まっていくと見られる。

Appleが自社AIを本格展開させる前に、Perplexityのような軽快で応答性に優れたアシスタントがユーザーの信頼を勝ち取る可能性は十分にある。

今後、Appleがどのタイミングで自社AIを刷新し、巻き返せるかが、モバイルAI市場の分岐点となるだろう。

また、ユーザーは多様な選択肢の中から、自身のニーズに最適なAIアシスタントを選ぶ時代に突入している。

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