【生成AI×詐欺対策】香川大学で大学生が特殊詐欺を仮想体験 AIが再現する“騙しのリアル”に若者が挑む

香川大学
目次

はじめに

生成AIを活用した特殊詐欺対策の新手法と、それが若年層に与える心理的・教育的効果を理解できる。

香川県警と香川大学が共同で行ったAI仮想体験講義の内容や、若者の被害が増加する背景、今後の全国展開の可能性についても把握できる。

生成AIが再現する“巧妙な誘導”に学生が挑む

2025年6月18日、香川県警は香川大学にて特殊詐欺対策を目的とした講義を実施し、新入生を対象に生成AIを用いた仮想体験を提供した。

この試みは、ソフトバンクと共同開発したAIツールを活用し、学生が詐欺グループとのLINEでの会話をシミュレーション形式で体験するというものである。

AIは、高利回りを餌に投資詐欺を装い、巧妙な言い回しで参加者に偽アプリのインストールを促す。

自然な日本語で応答するこのAIは、実際の詐欺グループの手口を忠実に再現し、多くの学生が心理的な圧力や迷いに直面した。

中には、警戒していたものの最終的に指示に従ってしまうケースも見られた。

講義を受けた学生からは、「無視する勇気が大切だとわかった」「冷静に対応することで被害を防げると学んだ」といった声が上がった。

単なる座学に留まらず、リアルな心理的体験を通じたこの教育手法は、若者の防犯意識を高める有効なアプローチといえる。

AI体験で詐欺を「自分ごと」に 若年層対策の新たな武器に

香川県内では、2025年1月から5月末までの特殊詐欺発生件数が153件と前年同期比で78件増加し、そのうち4分の1以上が20代の若者であるという。

こうした背景を受け、今回のAI体験型講義は、若年層への対策強化として実施された。

従来の防犯教育は、どうしても「他人事」として捉えられがちであったが、生成AIによる対話形式の体験は、学生に“自分ごと”としての危機意識を芽生えさせる点で効果が高い。

詐欺師の言葉巧みな誘導や、信頼と疑念の狭間で揺れる心理状態を体験することにより、学生自身が防衛策を意識的に構築するきっかけとなっている。

ただし、生成AIの使用には慎重さも求められる。

悪用リスクや心理的負荷への配慮といった課題が存在するため、今後は倫理ガイドラインや運用環境の整備も並行して進める必要がある。

今後は香川県に留まらず、他県や大学・高校への展開も視野に入る見通しである。

体験型の啓発教育として、生成AIが若年層の防犯教育のスタンダードとなるか、その動向が注目される。

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この記事を書いた人

株式会社LINK代表。
日々、ChatGPT・Claude・Gemini・Notionなどの最新AIツールを駆使し、記事作成や業務効率化、プライベートにも積極的に活用中。
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